『ファルティマ夜想曲 恋するカレン』葉山透

主人公の少女が、二人の男性の間で揺れ動くという非常にオーソドックスな話。と言っても、主人公が娼婦だったりして、少女小説レーベルではあるが、割と、大人向きか。と言っても、話自体は、非常にオーソドックスで、結末も大体予想通りになる感じである。この作者は、『9S』を書いていたりするので、この手の話を書くとは意外に思われる可能性もあるが、『ニライカナイをさがして』と言うボーイミーツガール物を書いていたりするので、そう言う意味では、意外でもないであろう。話としては、非常に上手くまとめているが、ファンタジー物的な伏線が登場するのはよいが、主人公には全く影響せず、浮いた感じになっているのは、どうなのだろう。同じ世界を舞台にした続編でも考えているのだろうか。

このレーベルは、買うのは初めてだが、名前の割には、ボーイズラブではないようだ。ビーンズ文庫あたりの路線のようだが、それよりは、もう少し、コバルトに近いか。と言っても、創刊されたばかりなので、よく分からないが。

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