『全死大戦1、2』元長柾木 [角川書店(KADOKAWA)]
『飛鳥井全死は間違いない』と『萩浦嬢瑠璃は敗北しない』を書き直して、タイトルを変えたもの。西尾維新当たりとは文体などはそれなりに近いが、こちらは、全体としては割とオーソドックスに、システム的な物との闘争、あるいは戦争をテーマとしている。割とメタな視点もあるが、何というか、全体的には新しいと言うよりは結構、古い感じもする。というのは、結局、2巻でやっていることは、単に学校に放火しているだけであったりする。けれども、途中の議論はそれなりに新しい物を踏まえているので、最後のオチとのギャップがあるような気がする。ストーリーは全体として、上手く構成されており、キャラクターも立っていて、見掛けよりは読みやすい。結局、内容としては壮大なプロローグ的な感じもするが、これで完結しているようだ。
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