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『樹環惑星 -ダイビング・オパリア-』伊野隆之 [徳間文庫]

日本SF新人賞の受賞作。低地帯の森林と断崖で隔てられた高地とからなる惑星で、新たな病気が発生したため、二十年ぶりに主人公の生態学者がその惑星に行くことになるところから始まる話。SFとしては、オーソドックスであるが、かなり、惑星内部の行政や政治的な面が非常に詳細に描かれており、経済的な面も重視されている。内容はかなり盛り沢山だが、一気に読ませる。ただ、話自体というか、世界が割と、現実を反映しているような面があり、すなわち、描きたかったのが、グローバリゼーションの進行するネオ・リベラリズム的世界という感じもする。とはいえ、新人としては文章も読みやすい。
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