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『華葬伝 上下』久遠 [角川ビーンズ文庫]

台湾角川ライトノベル大賞の金賞受賞作。台湾での角川の新人賞の受賞作なので、中国語から翻訳されている。記憶をなくした少女が、輪廻の失われた世界で幽鬼と戦うことになる話。一応、中華風らしきファンタジー。ただし、中華風と言っても、四百年前に人々が神を殺したと言うことが背景にあるように、かなり象徴的な話になっており、いかにもな中華風の世界が描かれているわけではない。その意味では、翻訳であると言うことに気付かない読者もいるかもしれない。設定はかなり凝っており、ストーリーも上手く構成されている。ラブコメ的要素はなく、設定とストーリーで話が駆動されているという点では、一昔前のホワイトハート文庫当たりに時々あったような感じの話である。逆に言うと、今の流行りの少女小説とは異なる。新人にしては、かなり、ストーリーや設定は上手い。話はきっちりと完結しており、続きは物語の構造上、さすがに期待はしにくいだろう。


台湾角川ライトノベル大賞の受賞作は翻訳されるのはこれが最初である。日本のライトノベルとほとんど変わらないし、ストーリーレベルでも違和感は感じられない。その意味では、日本の影響が強いと言うべきか、あるいは元々似ていると言うことか。イラストも台湾の人のようである。
タグ:新人賞 久遠
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