『エトランゼのすべて』森田季節 [星海社FICTIONS]
京都大学に入学した主人公は、怪しげなサークルの新歓説明会で、ミステリアスな美女の「会長」と出会うところから始まる話。大学を舞台にしたキャンパス物だが、構成は割とミステリー的で、仕掛けがあり、最後まで読むと、ある意味驚かされる。タイトルも実はかなり、意味があるわけで、全編にわたって、非常に緻密に構築されている。何故か、京都大学を舞台にしたキャンパス物は、最近では、森見登美彦の『四畳半神話大系』や万城目学の『鴨川ホルモー』などがあるが、そう言ったのに比べると、最もライトノベル寄りでもあるが、同時にミステリーっぽいところもある。高校生の頃に読んでいたら、進路を変えたかもしれない気もするが、既に大学を卒業して何年も立つような人にとっても、ある意味リアルな大学生活を描いているという点では貴重な作品である。
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