『黒獅子城奇譚』川口士

　放浪の姫士の主人公と神官を装う魔術師は、旅の途中で雷雨に襲われ黒獅子城と呼ばれる古い砦に逃げ込むと、雨宿りをしていた先客と出会うが、その内の一人が遺体として発見されるという話。一種のミステリーになっている。一冊で上手くまとまっているが、続編も期待出来そうではある。

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『 きれいな黒髪の高階さん（無職）と付き合うことになった』森田季節

　タイトル通りの話ではあるが、京都が舞台のキャンパス物である。主人公は学生だが、ヒロインは本当に無職なので、森見登美彦とか万城目学あたりとはちょっと異なる。とはいえ、大学の話もそれなりに出てくるし、雰囲気的にはそれほどは違わないが、やはり、こちらはライトノベル的ではある。

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『 世界の終わりの庭で』入間人間

　かなり衰退している世界で、ロボットの一種の主人公は非常に綺麗なロボットの少女を見付けるというところから始まる話。SFとしては、それなりにあるタイプではあるが、一冊で上手くまとまっている。独特の雰囲気があるのも良い。

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『 最強案内人の俺が異世界美少女を操り、死にゲークリアに導くまで 』鳳乃一真

　目覚めると、ダンジョンを攻略させる手伝いをさせられることになるという話。割と、ありがちな話かと思うと、結構、全体的な仕掛けは色々と複雑である。また、ダンジョンの攻略もこの作者のことなので、割とゲーム的というか、結構、凝っている。話はきちんとこれで完結しており、よくまとまっている。

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『星系出雲の兵站1』林譲治

　殖民星系の辺境で異星人の痕跡が発見され、それに対処するだけでなく、内部で主導権争いを始めるというミリタリーSF。既に、2巻まで出ている。異星人との戦闘だけでなく、内部での足の引っ張り合いも焦点になっていて、重層的な構成で良く出来ている。SF寄りにしてはいるが、本質的には架空戦記テイストが実は強い。

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『地球最後のゾンビ -NIGHT WITH THE LIVING DEAD-』鳩見すた

　タイトル通りゾンビ物だが、ゾンビによってほとんど滅びた世界で主人公の少年はゾンビ化していないゾンビの少女と出会って旅をするという話。この手の話としては割とオーソドックスではあるが、全体として上手くまとまっている。これで完結している。

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『海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと』石川博品

　高校生の主人公は謎の奇病に冒され、力を得るが、その結果、悲惨な出来事に巻き込まれていくという話。割とよくあるタイプの話ではあるが、非常に上手く一冊にまとめていて、良く出来ている。これで完結している。

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