『雀 －肌上の猛牌－』櫂末高彰 [スーパーダッシュ文庫]
脱衣麻雀で何でも決める女子高に拉致られて女装して麻雀を打つ羽目になった少年が主人公の話。麻雀物だが、割とコメディー寄りで、アイディアは色々とおかしいけれど、暗くはない。麻雀物としては本格的である。これで完結しているが、上手くまとまっている。
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『流星生まれのスピカ』兎月竜之介 [スーパーダッシュ文庫]
主人公の少年は流れ星から生まれた不思議な少女と出会い戦いに巻き込まれていくという話。スチーム・パンク的な設定の話で、展開はジュブナイル風である。話は上手くまとまっていて、これで完結しているが、続きが出るようである。割とオーソドックスではあるが、設定は上手く構成されている。
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『後宮楽園球場 ハレムリーグ･ベースボール』石川博品 [スーパーダッシュ文庫]
皇帝暗殺の野望を抱く主人公の少年は女装して後宮に潜入するが、そこでは野球のリーグが開催されており、野球をやることになるという話。設定はオリエンタルなファンタジーだが、内容は野球物である。とはいえ、ルールは多少いじって、3イニングのイニング毎の勝敗で決するというものである。テニスとかバレーのセット制と同様である。とはいえ、野球以外のところもストーリーの展開はそれなりにあるようで、かなり、設定自体は大掛かりである。この作者らしく、色々と変なところも多いが、一気に読ませる。話はまとまっているが、続きに期待したい。
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『オレのリベンジがヒロインを全員倒す!』八薙玉造 [スーパーダッシュ文庫]
強力な異能であるオリジンを持っていた主人公の少年は、その力を仲間だった少女達に奪われ、復讐を企むという話。リベンジ物なのだが、思ったよりも、コメディー寄りで、しかも主人公が下衆い。コメディーとしてはなかなか面白い。話はこれからというところで終わっているので、続きに期待したい。
『止まらないで自転車乙女』阿羅本景 [スーパーダッシュ文庫]
女子中学生に自転車の乗り方を教えることになった高校生の少年が主人公の話。自転車物というのは、ライトノベルでは珍しいが、これは競技系の話ではなく、純粋に乗り方を教えるのと、ロングライドの話になっている。話自体は自転車を除けば、割とありがちではあるが、自転車の部分はリアルで、ストーリーも良く出来ている。これで完結している。
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『8番目のカフェテリアガール』石原宙 [スーパーダッシュ文庫]
味噌アレルギーで名古屋から東京に逃げてきた高校生の少年は、学食のバトルに巻き込まれるという話。料理物のコメディーで、かなりめちゃくちゃなところもあるが、意外にリアルなところもある。ストーリーの構成は上手く、一気に読ませる。続きが出来ることも既に決定しているが、話自体は一応まとまっている。コメディーとしては出来は良い。
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『伊月の戦争 ～終わる世界の物語～』涼野遊平 [スーパーダッシュ文庫]
新人賞の特別賞受賞作。突然現れた正体不明の敵との戦いに学生も動員され、主人公の少女は幼馴染みの隊員と共に闘っていたが、あるとき、大きな力を託されることになるという話。要するに『ガンパレ』的な設定の話である。ストーリーはそれなりに大掛かりだが、意外と予想が付く範囲内の話である。思ったよりも、悲壮感が漂うわけでもなく、ある意味前向きではあるが、少し冗長な感じもする。とはいえ、この手の話は戦闘シーンなどがしょぼいと酷いことになるので、上手くまとめている点は評価すべきであろう。これで完結しており、続きは出汁にくいであろう。
『黒猫の水曜日』地本草子 [スーパーダッシュ文庫]
アメリカの民間軍事会社に所属する少女が、日本の高校に通う高校生を監視、護衛するという任務を受けるところから始まる話。こういう設定なので、当然、学園物のミリタリーアクションになる。細かい設定はありがちと言うほどでもないが、最近はそれなりにある話である。アクション物としては良く出来ているし、全体としてのストーリーも上手く構成されている。既に四巻で完結している。この手の話は、割と、ハチャメチャ系か、軍事暴力物かのどちらかになるが、こちらは後者のタイプである。新人にしては文章もこなれていて読みやすい。
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『暗号少女が解読できない』新保静波 [スーパーダッシュ文庫]
スーパーダッシュ小説新人賞の大賞受賞作。転校してきた少年に話しかけてきた美少女は、暗号マニアで、主人公は暗号を解く内に、仲良くなっていくという話。ラブコメと言うよりは、青春物的でもあり、ボーイミーツガール的な展開になっている。暗号回りは、非常に難解というわけではないが、それなりにバラエティーに富んでいる。キャラクターの配置などは割とありがちではあるが、全体としての構成は上手く、文章もこなれている。ストーリーとしてはこれできっちりと完結はしているが、続きが出せそうでもあるので、期待したい。
『出撃!!ノブシ･ストライカーズ ～結成!女の子武士団～』清水文化 [スーパーダッシュ文庫]
本能寺の変は起きず、織田信長が天下を統一し、藩や県からなる連邦制国家となっているという日本が舞台の話。小藩の姫様である主人公の少女は武士を目指しており、機動兵器「ノブシ」に載って、騒動に巻き込まれるというストーリーになっている。話は割と、ダイナミックというか、主人公が行き当たりばったりな感じだが、その分、スピード感はあり、一気に読ませる。一応、話は完結しているが、続きにも期待したい。明治維新がなかったという設定で、武士が活躍する設定の話はいくつか存在するが、そういう場合は大抵、刀でのチャンバラがメインだが、これは必ずしもそうではないところが面白い。
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