『天穹の英傑伝』吉田親司

宇宙に進出した人類が謎の生命体に襲われ、戦いに巻き込まれていく話。異質な相手との戦いがテーマになっており、SFとしても、かなり、面白い。ミリタリーSFとしても、かなり大がかりな話になっている。このように書くと、ある意味ではありがちな話のようにも思えるが、最後の方で、ある種のどんでん返しもある。これで、完結はしているが、続きも出せるようにはなっており、続きにも期待したい。この作者はライトノベルも書いているが、やはり、こういったちょっと古めのタイプの話が向いているようである。

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『博物戦艦アンヴェイル』小川一水

ファンタジーの帆船物。帆船物というのは、ライトノベルだと、割と珍しいが、最近は『蒼海ガールズ』もある。ただ、この作者の他の作品と同様に、単に戦うというよりも、むしろ、探検の方がメインになっている。設定は、ファンタジーだが、多少、SF的な感じもする。一応、話は完結しているが、続きも期待出来そうである。

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『刃の王』神野オキナ

邪神の欠片である堕刻を得た主人公達が戦いへと巻き込まれていく話。主人公は幼馴染みの中学生三人となっている。ストーリーはこの作者の作品としては良くある感じであるが、かなりシリアスで、必ずしも、ハッピーエンドとは行かず、けっこう暗めの話になっている。続きも出せなくはないであろうが、これで完結している。

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『突入!痛戦車小隊』吉岡平

戦車で模擬戦を行う戦争オリンピックが舞台の戦車物。近未来の話なので、戦車も現行のではない。さすがに、架空戦記というかミリタリーなだけではと言うことで、指揮官が女子高生だったり、何故、萌え絵が描かれている戦車になっていたりする。しかし、全体的には、『女子高生＝山本五十六』に似ている気がする。何というか、微妙に右寄りな主張とかもよく似ている。とはいえ、一発ネタの戦車物としてはそれなりに楽しめる。これで完結している。

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『ゼーガペイン 忘却の女王』日下部匡俊

TVアニメのノベライズ。といっても、数年前の作品が原作である。原作は見ていないが、ストーリーはオリジナルの外伝のようである。設定はSFで、データのみの存在となってしまった人間が敵と闘う話である。この手のSFとしては結構、ありがちではあるが、上手くできている。これで完結している。

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『不全世界の創造手』小川一水

主人公の少年が、新しい発明を行い、世界を変えていく話。一発ネタのSFである。野尻抱介の『ふわふわの泉』と似ているが、それに現実の政治とかいった話を付け加えたような感じである。同じ作者ならば、『第六大陸』の系統の話である。本質的には技術が世界を変えるといった話なのだが、そこに色々な要素を上手く付け加えており、その意味では読みやすい。しかし、この手の話だと、やはり政治はまだしも、経済的な面は、微妙に怪しい感じもするが、それを除けば、上手くまとまっている。内容的にもこれで完結している。

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『ミニスカ宇宙海賊』笹本祐一

SF。女子高生の主人公が宇宙海賊の船長を相続により引き受ける羽目になる話。スペオペとしては、設定もそれなりに凝っている。ストーリーは、結局、いつもと同じような感じではあるが、その代わり、安心して読める。続きも期待出来そうである。


朝日ノベルズの第一弾の内の一冊。サイズや装幀などはソノラマノベルズとほとんど変わらないようであるが、ソノラマノベルズは、『聖刻』や『ARIEL』などが完結したらフェードアウトするようである。ラインナップはソノラマ文庫をそのまま引き継いでいる感じである。これで、ライトノベル系のノベルズは、中公、トクマ、幻狼ファンタジア、朝日ノベルズと4レーベルになったが、やはり、一昔前のノベルズの路線を多少引きずりながら、やや高年齢層向けのライトノベルというのが、大体の共通点か。

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