『皇国の堕天使』志真元 [ワニノベルス]
架空戦記に萌えを導入する試みは、色々と行われてきたが、これはちょうど、中間ぐらいに位置する話になっている。女性を活躍させようとすると、改変度を高くする必要があるが、その分、ストーリーに幅が出るので、却って、面白くなりそうである。
『機動内親王澪子様の冒険1 女皇の帝国外伝』吉田親司 [ワニノベルス]
『ヴァルハラの戦姫 英雄降臨』深闇文貴 [ワニノベルス]
天上の神話世界に甦った第二次大戦時の戦車兵が、やはり、戦車に乗って闘う話。単に甦るのではなく、何故か、女性化というか、天使になっているところがポイントだろう。発想は、凄いが、話自体は、ヨーロッパに似た感じの世界で、オーソドックスに戦車戦が展開されている。面白いのは、飛行機は出てこないので、陸上戦力だけで殴り合うことになっており、その意味では、純粋な戦車戦の話になっている。敵は、何故か、ヒトラーとスターリンだったりするが、実は、どうでも良い気がしないでもない。それはともかく、全体としては、ライトノベルに本格的な戦車戦の話を導入しているが、割と、違和感なく、描かれている。ただ、現実の第二次大戦時に忠実なせいか、少し地味な感じもする。それに、設定は面白いが、ストーリーは、若干、単調な気もする。これも、話は途中であり、続編が出るようだ。何故か、表紙は割と、エロいが、話自体は、そう言うわけでもなかったりする。
『女皇の帝国 内親王那子様の聖戦』吉田親司 [ワニノベルス]
内親王が、活躍する架空戦記。かなり、設定はいじってあって、アメリカとは、一応、同盟関係で、ソ連が敵となっている。と言うわけで、架空戦記としても、かなり、異端の部類だろう。とはいえ、兵器の方も、それなりに、凝っているし、形式的には架空戦記であるが、基本的には、ライトノベルとのちょうど、中間あたりと言うことになるだろう。同じ作者の『血闘絶対国防圏』よりも、ライトノベル寄りであるが、むしろ、バランスが取れていると言うべきか。話は、途中になっており、続きに期待したいが、設定がかなりいじってあるので、ストーリーの落としどころというか、展開は、あまり予測できない感じである。ある意味では、狙った話なのだが、狙いは上手く、機能しているだろう。
このレーベルは、どうも、ライトノベル寄りの架空戦記を出す路線のようだ。 既に、Gノベルスがあるが、最近、どうも、怪しいので、これが、それを引き継ぐ感じか。