『宋代鬼談 梨生が子猫を助けようとして水鬼と出会うこと』毛利志生子 [コバルト文庫]
『海辺の王』しらせはる [コバルト文庫]
何故、こういう路線なのかと思ったが、このレーベルも近年縮小傾向なので、新たな路線開拓というところだろう。読者も、以前の少女小説的な時代とは異なるということで、上にシフトしているのだろうし、それほど、変な戦略ではないのかもしれない。
『夜の虹』毛利志生子 [コバルト文庫]
『緋色の花嫁』毛利志生子 [コバルト文庫]
『アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭』須賀しのぶ [コバルト文庫]
『カレン坂高校 可憐放送部』ひびき玲音、鈴本紅 [コバルト文庫]
原作がひびき玲音の学園物。『マリみて』とは異なって、共学なので、ラブコメが展開されるのかと思うと、ミステリーっぽい感じで、最後は、これからというところで終わっている。何か、ストーリーが急展開で、意外性に富みすぎる気もする。それに、この先、どういう方向で進むのかが、今一、分からない所も不安に思わせる。何というか、導入と言うことで、評価しづらい気もする。 それに、凄い所で終わっているので、続きも読まざるを得ないだろう。
『楽園ヴァイオリン クラシックノート』友桐夏 [コバルト文庫]
特別な才能を持つ者だけが入ることの出来る一種の塾を舞台にした話。サブタイトルが、「クラシックノート」となっているが、『白い花の舞い散る時間』、『盤上の四重奏』と同じ世界の話である。時間的には『白い花~』と同時期の話になっており、ストーリー的にも接点は存在する。タイトルにもあるように、主人公はヴァイオリンが得意で、出だしはちょっと違う感じなのだが、これまでの二冊と同じような感じの話になっており、基本的には、一種のパワーゲームがテーマで、やはり、ラブコメには成らない。伏線も多く、他の作品とのリンクも細かいので、例によって、二回以上読まないと分からない感じである。何とか、続編というか、同じ設定の話をもう少し読みたいと思わせる。
『月色光珠 黒士は白花を捧ぐ』岡篠名桜 [コバルト文庫]
作者はノベル大賞と読者大賞を受賞しているが、これは受賞作ではないが、デビュー作である。唐の時代の長安を舞台にした冒険物になっている。割と話はオーソドックスで、新人にしては、上手くまとめている。ただ、あまり特徴らしき特徴が無く、まとまり過ぎの気もする。
『盤上の四重奏』友桐夏 [コバルト文庫]
塾が舞台の一種の学園物。『白い花の舞い散る時間』の続きではなく、時間的には前の話。一世代の前の話であるが、単なる外伝とかではなく、深く結び付いている。前作は、一見ミステリー仕立てだったが、今回も同じような話である。やはり、前作にしろ、この作品にしろ、伏線が非常に多いので、二回以上読み返さないと、全貌は分からない仕掛けになっている。それにしても、この作者は、ラブコメと言うよりは、パワーゲームの方が好きなようで、コバルトでは珍しい存在かも知れない。
『春待ちの姫君たち』友桐夏 [コバルト文庫]
学園物で、一種のミステリー。途中で、仕掛けは大体予想が付くし、オチもかなり、ありがちな感じはするが、構成が練られていて、上手くできている。ただ、話が暗めで、デビュー作の『白い花の舞い散る時間』に比べると、スケールが小さい気がしないでもない。とはいえ、二作目にしては、かなりまとまりがよい。次は、もう少し、違ったタイプの話に期待したい。