『白い花の舞い散る時間』友桐夏 [コバルト文庫]
ロマン大賞の佳作入選作。チャットで知り合った少女がオフ会をする話。ミステリーっぽいイントロで、てっきり殺人事件でも起きるのかと思ったら、そうでもない。むしろ、ある種のサスペンスになっている。かなり、構成というか、伏線も多く、複雑な構造になっている。書き直しもしたのだろうが、新人にしては、非常に上手いだろう。この話は完結しているので、続編はなさそうだが、この先、どういう作品を書くのか、興味深い。
コバルトは、新人賞出身のは、まとめては出ないので、結構、見逃すことも多いが、今回はたまたま、目についた。以前に買った新人賞受賞作は、割とSF仕立てのがあったが、そう言うのは、コバルト文庫のカラーではないのか、あまり続かない場合が多いが、今回はミステリー仕立てなので、どういう路線を目指すのかはよく分からないが、順調にいけば、それなりに期待できそうだ。
『流血女神伝 喪の女王1』須賀しのぶ [コバルト文庫]
本格的なファンタジーの新章。と言うわけで、話は途中で、あまり先が見えないところであるが、ストーリーは進んでいく。あまり先の見えない話で、結構暗く、しかも神の次元の話が暫く続いていたが、ここからは人間のと言うか、国家レベルの話が前面に出てくるようだ。続きが楽しみであるが、他のシリーズの方が先に出るようだ。
『クロス ~月影の譜~』毛利志生子 [コバルト文庫]
現代を舞台にした吸血鬼物。ホラーっぽいのかと思ったら、むしろミステリー的な構成になっている。それなりに設定もあるし、話はまとまっている。ただ、ちょっと話があっさりしすぎという感じもしないでもない。とはいえ、単発の作品としては良くできているだろう。
『ブラック・ベルベット 神が見棄てた土地と黒き聖女』須賀しのぶ [コバルト文庫]
新シリーズ。SF。荒廃した世界で、凄腕の少女が闘う話。割と、ありがちな感じだが、主要な登場人物は女ばかりで、その点が特徴か。来月に続きがすぐ出るので、今回は登場人物の紹介だけで終わっているような面もあるが、導入としては良くできている。
本の感想ではないが、このSo-net blogはまだ、ベータ版だから仕方ないのだろうが、何とサイドバーにリンクを張るところがない。BiglobeのやっているWebryも実はそうだったりするのだが。厳密に言うと、RSSを発行している他のブログへのリンクだけ張れるという使用になっている。正式版では、リンクを張れるようにしてもらいたいけど、要望窓口はどこにあるのだろうか。