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『英雄は泣かない サーバンツログ』庄司卓 [ソノラマノベルス]

SF。星間戦争物で、主人公は方面軍司令官付の士官として任命された新人となっている。艦隊戦がメインの話だが、さすがに非常にこなれた感じで、上手くまとまっている。話はこれで完結しているが、設定は結構、細かく作ってあるので、続きというか、同じ世界を舞台にした話も作れそうである。視点は、司令官付の士官なので、一歩引いているが、その点もリアリティーを増すのに貢献しているようだ。同じ世界の話でよいので、続きに期待したい。


タグ:庄司卓

『複葉の馭者』笹本祐一 [ソノラマノベルス]

戦間期の複葉機をテーマにした冒険物。舞台はイギリスだが、アフリカ当たりまで行く話もある。元々、ソノラマ文庫で出たのを書き直した物のようだ。飛行機物としては、割と、ありがちではあるが、複葉機なので、色々とちょっと異なる。話はそれなりに完結しているが、続きも出せそうではある。

ソノラマノベルスは、朝日ソノラマが潰れる前から、再版がメインだが、朝日本体に吸収されてからも、同じ路線のようだ。この作者の作品は、『エリアル』と言った新しいのは持っているが古いのはそうでもないので、文庫で絶版になったものは出してくれるとありがたい。


『ガーオイズの宴』日下部匡俊 [ソノラマノベルス]

ロボット物のSF。SFの部分も結構、丁寧に描かれているが、全体的に古めのスパロボ的な雰囲気が漂っていると思ったら、後書きによると、昔から暖めてきたネタだそうである。むしろ、ジュブナイルSFの香りもすると言うべきか。ただ、敵の設定などは、同じ作者の『呪法宇宙』などと共通している。これで完結しているが、必ずしも、話が終わっているわけではない。それに、主人公の過去の回想シーンがかなり長く、話のバランスは必ずしも良くはないだろう。


タグ:日下部匡俊

『北方の傀儡師 聖刻1092外伝1』千葉暁 [ソノラマノベルス]

『聖刻1092』シリーズの外伝だが、ソノラマノベルスから出ている。新作だが、前半は『聖刻1092読本』に掲載されたものであるが、その時は、話が完結していなかったが、これで終わらせている。時代的には、本編より前で、主人公達の前の世代の話になっている。これで、話の大きな背景は大体、明らかになっている。後書きによると、外伝だが、本編の第三部と第四部のブリッジになると言うことで、やはり、重要な部分になっているようだ。とはいえ、本編もどんどん、進めて欲しいのだが。


『小娘オーバードライブ1』笹本祐一 [ソノラマノベルス]

以前に角川スニーカー文庫から出ていたのを、1、2巻を合わせて、一話新作を追加した物。正義の味方のアルバイトをすることになった女子高生が主人公の話。実は、マッドサイエンティスト物でもある。旧作部分も加筆されているらしいが、手元に古い版がないのでよく分からない。新作は2巻に入る第六話の後の話だそうだが、特に気にする必要はないだろう。新作は、他の話に比べて、SFになっている。2巻も出るようだが、それにも新作は入るのだろうか。


『インベーダー・ストリート』菊地秀行 [ソノラマノベルス]

 
以前にソノラマ文庫から出た『風の名はアムネジア』と『インベーダー・サマー』を合わせて再録している。『アムネジア』は、異星人の侵略により、文明の崩壊した世界で、少年がアメリカ西海岸から、今話題のニューオーリンズまで横断する話。ロードムービー的な話だが、SFとしても、それなりに面白い。他方、『インベーダー・サマー』は山あいの街に少女の姿をしたエイリアンが現れるという話。SFなのだが、他方で、ジュブナイルというよりは青春物的で、また、主人公の少年は剣道が強くて、その敵にやくざが登場したりと、その後の伝奇物路線を予告しているような面もある。80年代初期の作品なので、設定も微妙にその時代を感じさせるが、話としては今でも通用するだろう。菊地秀行の作品は初めてだが、元々はSF寄りだったのか。




『裏山の宇宙船』笹本祐一 [ソノラマノベルス]

 
以前に文庫で出たものの新装版。若干、改訂されているようだ。ストーリーはタイトル通り、裏山の宇宙船を掘り出すという話し。ライトノベルというよりは、ジュブナイル的な感じもするが、上手くまとまっている。SFとしても、そんなにいい加減ではない。一冊できっちりと完結している。イラストが放電映像だが、それには一応理由がある。

ところで、笹本祐一の新装版は、この後も何か出すのだろうか。ソノラマで昔出た物は持っていないので、出してもらえるとうれしいのだが。ただ、文庫とノベルスで、それぞれ隔月刊行になってしまい、新人賞もやめてしまったので、この先に不安が残るが、どうなのだろう。


『星のダンスを見においで 【完全版】』笹本祐一 [ソノラマノベルス]

 
以前、文庫版で出ていたのを二冊まとめて、さらに加筆した物。女子高生が宇宙海賊と一緒にお宝を探しに行く話。古い版は、最近まで再販されていたような気がするが、まだ読んでいなかったので、買ってみた。『ARIEL』とは一応別の世界のようであるが、大体似たような感じで、海賊とはいうものの、海賊の艦隊と連合艦隊との艦隊戦がメインの話になっている。結末は、ちょっと肩透かしのような感じではあるが、その分、きっちりと完結している。


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