『蟲と眼球とテディベア』日日日

　
新人賞を五つ受賞した新人の五つ目の新人賞受賞作。といっても、最終選考に残った時点で、他のところからデビューしたので、編集長特別賞を出したと言うことのようだ。意地悪な言い方をすれば、バスに乗り遅れるなと言うことで、受賞させたのだろうが、同時に出た他の受賞作に劣るわけでもないので、当然だろう。話は現代を舞台にしたファンタジー。登場人物にはそれなりのインパクトがあるが、ストーリーは良くある神話をモチーフにある程度捻ったものになっている。既に読んだこの人の他の二作に比べると、ストーリー志向だが、新人にしては上手く組み立てられている。

この作者の作品はライトノベルとして出たものはこれで全部読んだが、思ったよりも幅はあるようだ。ファミ通文庫の方は早くも続きが出るようで、それなりに書くスピードがあれば、中堅作家にはなれるだろう。

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