『ポケット戦艦マイティローザ』鋼大

分裂した銀河帝国において、主人公は新型の宇宙戦艦の頭脳体とともに、敵に立ち向かうという話。宇宙戦争ではあるが、艦隊戦と言うよりは、一対一の話になっている。戦闘メインであるが、SFとしてもかなり本格的で、話もまとまっている。そう言えば、『スターシップ・オペレーターズ』とはある程度にテイルが、こちらの方が戦記物よりである。

タグ：鋼大

『中国分断/国連解体 民間軍事航空艦隊メイデンフリート』志真元

タイトル通り、現代物の中国物の架空戦記。設定はかなり捻ってあって、同じ作者が原作を務めた「超弩級航空豪華客戦艦大和」と同じく、民間軍事会社の艦隊物になっている。というわけで、中国物にしては、あまりリアルでないというか、生臭くなく、また、政治面はコミカルというか誇張されて描かれている。実質的には空戦物と言うべきか。そういう意味では割と読みやすい。話は途中なので、続きに期待したい。

タグ：志真元

『超弩級航空豪華客戦艦大和』北城一輝

架空戦記。かなり改変度は高く、民営化された日本の海軍が、傭兵として欧州で活躍するという話。タイトル通り、大和がメインの話で、艦長が何故か、侯爵家の令嬢になっている。というわけで、架空戦記に萌えを導入したような話かと思うと、意外とそうでもなく、見掛けよりも架空戦記寄りである。ただ、改変度が高いので、第二次大戦時の欧州を舞台にした冒険物的なテイストもある。話は途中で終わっており、続きに期待したい。


このレーベルも、ライトノベル寄りの架空戦記的なものを出しているが、意外と、続編が出なかったりとしているが、コンスタントに出ているところを見ると、それなりの需要はあると思われる。

タグ：北城一輝

『小説馬車馬戦記 ディエンビエンフー大作戦』富永浩史

『速水螺旋人の馬車馬大作戦』のノベライズ。ノベライズと言っても、ストーリーはオリジナルの外伝である。ソ連空軍の女性パイロットが、アメリカが乗り出してくる前のインドシナ戦争中のベトナムへ派遣される話。複葉機といった時代遅れの期待に乗って活躍する話。何というか、非常にマイナーな時期の話である。架空戦記と言うよりは、冒険物的な話になっている。マイナー好きであるとか、厳しい制約の中で何とかする話が好きな人には勧められるだろう。

タグ：ノベライズ 富永浩史

『鋼鉄のアナバシス 死神と呼ばれた少女』内田弘樹

萌え架空戦記というか、ライトノベルに架空戦記的なテイストを導入した話になっている。設定は、第二次大戦時の東武戦線でウクライナが舞台だが、ヒトラーが亡くなっていて、独占が続いてる状態である。戦車物で、主人公以外の乗員が少女になっている。架空戦記としてもそれなりに本格的で、設定も細かい。ストーリーも上手く構成されている。続きに期待したい。

架空戦記とライトノベルの中間を狙ったものは色々と試みはあるが、これは架空戦記をライトノベル化した感じである。このレーベルの第一弾だが、他に書ける人はいるのだろうか。

タグ：内田弘樹