『嘘つき婚約コンチェルト』永瀬さらさ [角川ビーンズ文庫]
『華葬伝 上下』久遠 [角川ビーンズ文庫]
台湾角川ライトノベル大賞の受賞作は翻訳されるのはこれが最初である。日本のライトノベルとほとんど変わらないし、ストーリーレベルでも違和感は感じられない。その意味では、日本の影響が強いと言うべきか、あるいは元々似ていると言うことか。イラストも台湾の人のようである。
『BLOOD+ ロシアン・ローズI』漲月かりの [角川ビーンズ文庫]
TVアニメのノベライズ。角川スニーカー文庫からも同時に出ているが、そちらは原作に沿ったノベライズだが、こちらは外伝である。一種の吸血鬼物だが、帝政末期のロシアを舞台にしており、雰囲気も吸血鬼物に相応しい感じである。そのため、ビーンズ文庫にありがちな雰囲気に一致しているが、それだけでなく、話の構成も上手く、続きが楽しみである。
同時に異なるレーベルから出版するという戦略だが、コミックもそれより若干前に同時に三冊発売しており、メディアミックスとしては、色々と考えているようだ。コミックの方は読んでいないので分からないが、ノベライズとしては、どちらもかなりの水準のもので、そう言う意味では成功しているのだろう。興味深いのは、男性だけでなく、女性にも絞った商品展開をしている点だが、エヴァも最近、出ている物は、結構、女性向けだったりするわけで、角川としては、もう、それほど珍しくない手法なのかもしれない。
『オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う』栗原ちひろ [角川ビーンズ文庫]
ビーンズ小説大賞の優秀賞受賞作。ファンタジー。割と暗めの設定だが、雰囲気は良く出ている。ストーリーも上手くまとまっている。新人にしては文章は読みやすいが、割とありがちな感じもする。
ビーンズ小説大賞の受賞作はこれで三作とも読んだが、出来としては、これが一番で、次が『シェオル・レジーナ』か。ただ、三つとも、ファンタジーで、しかも割とありがちな感じで、三つとも似ている。ただ、これはレーベルの傾向がそうなので、仕方ないのだが、コバルトやホワイトハートと比べるとビーンズ文庫はほぼ、ファンタジー専門に近い。次も買うかというと、ちょっと微妙なところだ。
『花に降る千の翼』月本ナシオ [角川ビーンズ文庫]
ビーンズ小説大賞の優秀賞受賞作。南洋の島国を舞台にしたファンタジー。といっても、かなりオーソドックスなタイプの話である。文章も新人にしては読みやすいし、話もうまくまとまっている。ただ、悪くはないがという感じもしないでもない。設定もそれなりにあるので、もう少しスケール感が出ると良いのかも知れない。
『シェオル・レジーナ 魂の捜索人』村田栞 [角川ビーンズ文庫]
角川ビーンズ小説大賞の奨励賞と読者賞の受賞作。ルネサンスを舞台にした一種のエクソシスト物。新人にしては、文章も割と読みやすく、キャラも立っている。ストーリーも上手くまとまっているが、ちょっとありがちか。一応完結しているが、続編も出そうな感じではある。
ビーンズ文庫は、新人賞の受賞作を3ヶ月に渡って、1冊ずつ出すのだが、電撃あたりとは違って、毎月の刊行点数が少ないからか。