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『世界平和は一家団欒のあとに』橋本和也 [電撃文庫]

電撃小説大賞の金賞受賞作。一家皆、特殊能力を持ち、世界平和のために戦っている家族の話。ストーリーとしては、主人公の長男が危機が起きて、それに対処していくという話になっているのだが、何故か、結局、家族の話に収斂してしまい、何となく、最初に比べると、スケールが小さくなってしまった感じがする。文章もこなれていて、構成もまとまってはいるが、少し、ある意味ではあっさりとしている気もする。

電撃小説大賞は、今年は、大賞と銀賞の他に金賞が2作であるが、完成度で言えば、やはり、『ミミズク』が一番であろう。ただ、インパクトで言えば、色々と微妙な点もあるが、『扉の外』と言うことになる。残りの二つだと、『なつき』の方が、好みではあるが、続きが出たとしても、買うかどうかは微妙である。『扉の外』は、2巻まで、読んだ上で、評価した方が良いだろう。去年よりも、全体的に、完成度は高いが、好みという点でも、続きに対する期待度という点でも、去年より上回ると言うことはない気がする。


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