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『万年島殺人事件 -壊し屋翔子の事件帖-』舞阪洸 [幻狼ファンタジアノベルス]

高校のミステリー研が合宿をしていた島で惨劇が起きるが、それを探偵ならぬ「妄想」を破壊する「壊し屋」が解決する話。そういう意味では、ミステリー風ファンタジーということになるのだが、内容は、新本格のフォーマットにそのまま則っている。新本格で言えば、全体的には、二階堂黎人や笠井潔ではなく、綾辻行人や麻耶雄嵩のような感じであるが、それにバカミス的なテイストを加えたと言ったところか。この作者は、チャンバラ物とかオーソドックスなファンタジーが多いが、新本格はかなり好きなようで、以前から、『国立探偵江戸川乱子』シリーズ(スーパーダッシュ)や『御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部』シリーズ(富士見ミステリー)といったミステリー風のを書いているわけで、そういう意味では意外ではない。一応、妄想と言うことになっていて、ファンタジー的要素もあるが、それなりにミステリー的論理性もあり、その意味では新本格と言っても良いだろう。面白いのは、謎解きの部分がやけに親切で、重要なところはわざわざゴシックにしていたりもする。新本格をライトノベルにしたというのが、全体的な評価になるだろう。続きも出るようである。
タグ:舞阪洸
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