『空色パンデミック1』本多誠 [ファミ通文庫]
えんため大賞の優秀賞受賞作。発作を起こすと自分の空想に入り込んでしまう「空想病」患者の少女と出会ってという話。ボーイミーツガール的なラブコメだが、「空想病」に関わる話がメインになっている。ラブコメというよりは、青春物的か。これも新人にしてはこなれており、上手くまとまっている。この手の話としては、結局、いわゆる厨二病をネタにしており、田中ロミオの『AURA』などにも似ているが、これは痛い話として描いていない点が特徴か。それはともかくとしても、こういった厨二病的妄想を扱った作品というのは、ある意味ではアンチ・セカイ系として機能してしまうようである。続きも出るようであるが、果たして上手く行くのであろうか。
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