『これからの正義の話をしよっ☆』早矢塚かつや [一迅社文庫]
正義を探求している変な少女の主催する「正義同好会」に入部した少年が主人公の話。大きなストーリーは、幼馴染みの生徒会長が、バレンタイン中止を生徒会として決定しようとするのを阻止しようとすると言うものである。最近流行りの正義論というか、そういったネタ物ではあるが、上手く、三角関係的なラブコメと噛み合っており、読んでみると、ネタ先行というわけでもない。もちろん、正義論的な話もそれなりに登場するし、ヒロインはかなり変であるが、もう一人のヒロインも行動は強烈なので、何が正しいかという点から話を進行させていくのは、こういったタイプの話だと、正しいか間違っているかよりも、いかに勝つかといった戦略や戦術がメインなのに対するある種のアンチテーゼとも考えられる。しかも、単に暑苦しく正義を語るのではなく、一歩引いた視点になっているため、そんなに理屈っぽくもなく、読みやすい。ストーリーは完結している。前二作が完全にネタ先行だったのに対して、全体として、ネタ物を上手くまとめている。
タグ:早矢塚かつや
コメント 0