『展翅少女人形館』瑞智士記 [ハヤカワJA]
球体関節人形しか生まれなくなった世界で、奇跡的に生まれた少女達が隔離されている場所での話。SFというよりは、ファンタジーだろう。この作者は、割と、人形とか人体改造的なネタが好きなようであるが、これも他のレーベルでは書きにくい話ではある。設定も興味深いが、これ位ぶっ飛んだ設定ははSF的としか言いようがないのも確かである。ただ、主人公の少女達は、確かに最初は人間であるのだが、キャラクターの設定的には、どうも、『ローゼンメイデン』を思わせるようなところもある。特にフローリカはイメージ的には蒼星石のような気もするがどうなのだろう。しかし、そうだとしたら、『ローゼンメイデン』のアリス・ドールは人形であるが、こちらは一応は人間であるわけで、その意味で結末も当初から暗示されているとも考えられる。全体としては、独特の雰囲気があって、かなり、好みは分かれそうである。きっちりとまとまっており、続きは出なさそうである。
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