『ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー』三河ごーすと [電撃文庫]
電撃小説大賞の銀賞受賞作。地下の貧民街で生まれた主人公の少年が中流平民街に入って、豪邸に盗みに入ったところ、捕まってしまい、一人の少女とともにタイトルの名前の競技をさせられることになる話。競技は、ペアで行うものだが、一種の能力バトルであり、さらに仕組みが割とカードゲームとか、ソーシャルゲーム的である。ラブコメ的な展開も多少はあるが、基本的にはゲームで勝ち抜くことを目標としている話になっている。その手の物としては割と標準的はあるが、特徴は何と言っても、設定がかなり極端な格差社会的な物になっている点である。しかし、考えてみれば、一昔前のSFだと割とありがちなディストピア物の一種と言うべきか。けれども、そういった設定が、夢物語どころか、割と現実的に思えるようになってしまっているのも確かである。この手の話としては良く出来ており、話は一応まとまっているが、続きも決定しており、期待したい。
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