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『紅牙のルビーウルフ』淡路帆希 [富士見ファンタジア文庫]

ファンタジア大賞の準入選作。盗賊の元で育った実は王女である少女が、国家を巡る陰謀に巻き込まれる話。ファンタジーとしては王道を行く設定とストーリーであるが、良くまとまっている。細かいところは少し荒い気もするが、捻らず、非常にオーソドックスな話となっている。最近は、こういう正統的なファンタジーは意外と少ないので、この路線はかえって良いのかもしれない。

同時発売の新人賞からの作品は三つであるが、買ったのは『琥珀の心臓』とこれだけ。完成度では『琥珀の心臓』の方が、上だろうが、この先、どういう路線で行くのかはよく分からない気がする。『ルビーウルフ』の方は、あまり特徴がない気もするが、正統的なファンタジーが書ける作者が実はあまりいないので、かえって、この路線を続ければ、それなりの物が書けるのではないだろうか。


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