『アストロ！乙女塾！』本田透

主人公の少年が騙されて女装させられて、女子校に入学するという学園物。スラップスティックなコメディーなのだが、実のところ、全体的なストーリーは、同じ作者のエロライトノベルである『キラ×キラ』とあまり違わなかったりする。こちらはもちろんエロは無しで、それほど、ラブコメにならない点が異なっているが。また、分量が多すぎたのか、ライトノベルの文庫本では珍しく、二段組みとなっていて、さらに、注というか、解説というか、コラムのような物が、囲みで所々に挿入されていて、体裁も異色である。このスタイルは、小説としては珍しいが、同じ作者の関わっている『妹☆コレクション』の類と似ている。小説としては、とにかく、アホなネタが多く、楽しめる。

スーパーダッシュ文庫は、スーパーファンタジーから名前が変わってからしばらくは今一だったのだが、ここに来て、新人賞出身もそれなりに揃ってきただけでなく、色々と行っているわけで、これも一つの試みだろう。考えてみれば、『Ｒ．Ｏ．Ｄ．』のノリも実はこれに近いわけで、実は元々ある路線とも考えられる。

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