『ことりたちのものがたり』空谷あかり [スーパーダッシュ文庫]
コミティアという同人誌即売会での出張持ち込み出身の新人の作品。人造の亜人種を巡る話。一応、設定はSFだが、内容は人間との関係に焦点が当てられている。全部で十話の独立した話から成っているが、恐らく、元ネタの同人誌がかなり短い短編で構成されていたのだろう。そう言う意味では、普通の新人賞からは出てこないタイプの作品でもある。内容は、見掛けと違って、ほのぼの系というよりは、哀しい話が多い。
スーパーダッシュ文庫の場合は、作家は、新人賞以外にも色々と手を伸ばしていて、その一つがこのコミティアでの出張持ち込みのようだ。コミティアでは出張持ち込みを何回か行っていて、それなりにデビューに結び付いているようだが、ライトノベルで行ったのはスーパーダッシュだけである。ライトノベルだと、上手く行くのかなとも思ったが、新人賞とはひと味違う作品が出てきたと言うことは、それなりに成功したと言うことになるのだろう。ところで、スーパーダッシュは、最近は攻めの姿勢で、他にも、本田透を引っ張ってきたり、様々な試みを行っている。
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