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『火目の巫女』杉井光 [電撃文庫]

第12回電撃小説大賞の銀賞受賞作。化生と呼ばれる怪物に対抗する火目の候補となった少女が主人公の話。設定は、平安時代あたりがモデルの和風ファンタジー。ストーリーは割と鬱展開で、主人公はある意味では、ずっと何も出来ないままで終わるが、意外と淡々とした印象の話になっている。構成も上手い。これで完結しているが、続きが出るようだ。

これで、電撃小説大賞の受賞作を全部読んだ。今年は、どれもこれも、上手いのだが、割とそつがない感じである。うまさで言えば、やはり、「お留守バンシー」だが、続きに一番期待できそうなのは、「狼」だろう。「火目」も悪くはないが、続きを買うかどうかは微妙なところである。去年に比べると、水準は高いが、その分、ある意味では小粒な印象もある。


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