『SAS スペシャル・アナスタシア・サービス』鳥居羊 [HJ文庫]
ノベルジャパン大賞の優秀賞受賞作。妹が亡国の王女と判明したために、中学生の少年の家に護衛の少女が三人、同居することになる話。当然、敵が襲ってきたりという話で、それなりにアクションもあるが、他方で、一種の押し掛け女房物にもなっている。ストーリー的には、ありがちな感じで進むのかと思ったら、それなりに捻ってある。考えてみたら、この手の設定のは、エロライトノベルでは、割とあるのだが、ライトノベルだと、必ずしも、多くはないような気もする。それはともかく、新人にしては、文章もこなれており、読みやすく、ストーリーもまとまっている。これが大賞でないのは、書き直した結果もあるのだろうが、ちょっと、まとまり過ぎの印象もあるからだろう。
ノベルジャパン大賞の受賞作は、三作同時発売だが、大賞とこれの二冊だけ購入。他の新人賞と比べても、平均以上の水準になっていると思う。ガガガは一作しか読んでいないので、比較するのもどうかと思うが、ノベルジャパン大賞の方が、成功か。ただ、意外と、萌え系な話ばかりになっているあたりは、ちょっと意外だった。
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