『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』石川博晶 [ファミ通文庫]
えんため大賞の優勝賞受賞作。高校に入学した主人公が「王国民」という外国人と知り合い、騒ぎに巻き込まれていく話。一見すると、スラップスティックなコメディー風でもあるが、実はかなり設定は凝っていて、しかも、主人公視点で書かれている割には、視点が中立的というか俯瞰的なため、一種のSFとしても読める。そうでなくても、異文化コミュニケーションと言ったところか。それはともかく、細かいところまでかなり凝っており、新人にしては文章もこなれており、上手くまとまっている。続きも出せなくもない感じではあるが、このレーベルは新人賞組の生存率が著しく低いので、あまり期待出来ないかもしれない。
えんため大賞の受賞作は1月は二作出たが、両方とも出来はかなり良い。問題は、このレーベルの場合、次作が出るかどうかだろう。
えんため大賞の受賞作は1月は二作出たが、両方とも出来はかなり良い。問題は、このレーベルの場合、次作が出るかどうかだろう。
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