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『魔術師たちの言想遊戯I』一橋鶫 [ファミ通文庫]

えんため大賞の特別賞受賞作。高校生の主人公が、アルバイトに応募した書店は「言霊」を操る言想魔術師のアジトで、そこで謎の少女と出会い、闘いに巻き込まれていく話。割とオーソドックスな能力バトル物であるが、結構、ストーリー上の仕掛けが凝っている。その意味ではありがちに見えて、必ずしもそうではないところが特徴である。全体としても、構成はまとまっている。話は完結しているが、続きも充分出せそうであるし、タイトルからしても、出す予定なのだろう。

これで2月末発売のファミ通文庫の新人賞受賞作は感想を全て書き終わった。二月発売の中では、『犬とハサミは使いよう』がやはり完成度としては抜けている。構成は『魔術師たちの言想遊戯』が上手いが、『魔よりも黒くワガママに魔法少女は夢をみる』は捻った設定が面白い。1月末発売の三冊と合わせると、完成度では、『犬とハサミ』と『わたしと男子と思春期妄想の彼女たち』は他の寄りもかなり高い。続いて、『表裏世界のソーマキューブ』、『魔法少女』、『言想遊戯』、『○×△ベース』の順だろう。続きを必ず買う予定なのは、『犬とハサミ』、『妄想彼女』で、他は迷うところである。今回のえんため大賞は全部で六冊受賞作が刊行されたが、今まででも一番多いだろう。質という点でも、優秀賞受賞作の完成度も高く、平均的にも例年より上だろう。結構、捻ってあるが、ライトノベル的な枠内には収まっており、かつ、王道を行くような作品が揃っているのも特徴か。
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