『レゾナンス 1.夕色の墜落』山原ユキ [角川スニーカー文庫]
スニーカー大賞の優秀賞受賞作。脳に寄生した力を使って、一種の化け物を退治する少年が主人公。『哀しみキメラ』などと同じような感じの話である。雰囲気的には、むしろ、『pulp』あたりか。かなり、暗く、鬱な話になっている。この手の話としては、新人にしては、非常に上手くまとめている。ただ、私自身はこの手の話はあまり好きではないと言うこともあるが、ちょっと、上手くまとめ過ぎている気もする。
これで、学園小説大賞とスニーカー大賞の受賞作は全部、読んだが、やはり、『シンフォニックハーツ』が抜けているか。ただ、下巻で風呂敷が上手くたためるかどうかで評価は決まるのだが。完成度で言えば、『骨王』と『レゾナンス』だろう。好みで言えば、『エイリアン』も、悪くはないだろう。今回は、全て、続き物になっていて、そう言う意味では、評価しづらい点もあるが、割と、レベルは高いだろう。ただ、続きを確実に買うのは、『シンフォニックハーツ』と『エイリアン』で、残りは個人的好みからは微妙だろう。
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