『青年のための読書クラブ』桜庭一樹 [新潮社]
都内のミッションスクールの「読書クラブ」を舞台にした話。この人の作品としては、都会風の洒落た話になっている。『GOSSICK』シリーズと同様のヨーロッパ趣味が全開と言うべきか。連作短編的な構成で、1969年から、2019年までを描いている。短編としても、構成はうまく、まとまっている。割と、歴史的な背景も描かれているが、割とこなれている感じである。やや、寓話的で文学的な話であるが、わかりやすい。最後は読書クラブもほぼなくなり、舞台となっている学校も共学化するという所で話は終わるのだが、割と明るい感じで終わっている。全体としては、味のある話になっている。
タグ:桜庭一樹
コメント 0